女人像
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神職の住む通りや新旧の参詣道。通りごとに表情が異なり、そぞろ歩きが楽しい。
山辺の古径(やまべのこみち)
 

現在の表参道が海の底だった頃、神社への参詣客が歩いた宮島最古の参道です。スタート地点の要害山の坂を登りきったところは、朱塗りの大鳥居や五重塔、町並みの瓦の波を一望できるビュースポット。一旦要害山を下り、不動堂の前を通って緑豊かで静かな山沿いの道を辿っていくと、宮島張り子の工房や寿山亭の土壁に安置された女人像、乳地蔵のある女人坂へ。ここから南側に下りる小路は「鬼隠(かくれんぼ)」と心憎い名が付けられています。坂の下には、通称あせび寺と呼ばれる宝寿院。その角を曲がった一帯は魚之棚町で、昔は魚の荷の揚げ下ろしが行われた浜辺で魚市場も立っていたそうです。山沿いの道のため勾配がきついところもありますが、坂の上の高台からみる眼下の景色はため息がでるほど美しく、また古い石垣や桜の老木、猿瓦と呼ばれる瓦や小さなお堂など思わず足を止めて見入ってしまう発見があって実に楽しいもの。さらに歩いていくと、浄土宗の古刹・光明院前の石畳の坂道に突き当たり、そこを下れば五重塔や千畳閣のある塔の岡。祈りの道にふさわしい落ち着きと風情がある古径です。

山辺の古径山辺の古径
女人坂女人坂
町家通り(まちやどおり)
江戸時代初期に埋め立てられ、宮島が最も華やいだ時代のメインストリートとなったのが当時本町筋と呼ばれた町家通り。「厳島図会」には商家や旅籠が立ち並ぶ通りに参拝客や酔客が楽しげに行き交う様子が描かれています。現在の幸町東表や中之町表、北之町表といった町名も、この一帯がかつて表通りだったことを示しています。しかし昭和も戦後になると映画館やカフェなどの娯楽施設は姿を消し、観光客は表参道商店街に流れて島に住む人たちの生活通りとなりました。通りが再び脚光を浴びるようになったのは近年のこと。平成13年(2001年)に始まった「みやじま雛めぐり」がきっかけで、通りに点在する江戸時代から戦前までの古い町家建築が注目され始めたのです。この頃から通りは町家通りと呼ばれるようになり、伝統的な町家建築に現代的な感覚をプラスしたレトロモダンな宿や商店・ギャラリーなどが登場。また、まるで昭和30年代にタイムスリップしたような昔ながらの個人商店や民家も健在で、それがまたいい味を醸していると通りを散策する人が増えてきました。夜間には軒先にかかる行灯に明かりがともされ、昼間とはまた違ったしっとりした情緒をプラス。歴史を感じさせる町並み、そしてそこに暮らす人々の息づかいや体温が伝わってくるのが町家通りの魅力です。
町家通り
町家通り町家通り
滝小路(たきのこうじ)
嚴島神社から大聖院へ至る緩やかな坂道・滝小路(たきのこうじ)は、かつては嚴島神社の神職の居住地になっていたところで、棚守・上卿・祝師などの社家や内待、大聖院の宿坊が軒を連ねていた通りでした。今でもこの小路には神職の住まいや寮などがあり、千本格子の大戸など独特の家並みが見られます。石垣の上に建つ「上卿(しょうけい)屋敷」は、朝廷から差遣わされる奉幣使の代参を役目とした江戸時代の神職の屋敷で、当時のままの建築様式を残す貴重な建物(見学は日曜のみ、要予約)。また上卿屋敷の向かいは宮島にたった一軒残る宮島土鈴の工房で、縁起物の十二支の土鈴や烏天狗の土鈴が製作されています。土産物屋が並ぶ通りとはうってかわって、静寂に包まれる滝小路。早朝には神社に向かう神職の下駄の音が通りに鳴り響きます。
滝小路滝小路
表参道(おもてさんどう)
観光客の定番コースともいえる宮島で最も賑やかな表参道商店街。大鳥居がみえてくる石鳥居まで約350m、ほぼ一直線に商店街が続きます。この辺りが埋め立てられたのは江戸時代後期。やがて昭和の高度成長期にこの通りがメインストリートになりました。通りの左右には土産物店や食事処、旅館などがびっしりと並び、そぞろ歩くだけでも心が浮き立ってくるよう。名物もみじまんじゅうの店は11件あり、それぞれ個性的な味をひと工夫。焼きたてをその場で味わうこともできます。郵便局の隣に展示されている長さ7.7m、最大幅2.7m、重さ2.5トンの樹齢270年のケヤキから作られた「世界一の大杓子」も必見です。
表参道表参道
世界一の大杓子世界一の大杓子
人と神々が共に生きる島 日本三景 Miyajima